1.未来志向の考え方
1)未来を捉える
「世界の動きが激変」といわれて久しいが、激変とは急激に上下に変化することである。
未来とはいつかでなく、激変の時代は、明日からが未来と定義できる。
未来という言葉は、何か新しいことが起こるという希望を含んでいる。
これから始める希望がある商品・技術を未来と言う切り口で発想する。
2)未来の市場場所
@新興国
国内市場の将来に希望がなく、新興国に希望を持ち始めている企業が増加してきた。
新興国(BRICS、ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)のみならず、次の新興国(NEXT11、イラン、インドネシア、エジプト、
韓国、トルコ、ナイジェリア、パキスタン、バングラデシュ、フィリッピン、ベトナム、メキシコ)も注目される市場になってきている。
新興国は、経済成長率が激しく、人々も将来に希望を持ち、消費が積極的になっている。
A新興国の市場変化
新興国は、市場の激変を生んでいる。この場合の激変とは、右肩上りの成長である。
今までものがない時代を過ごした人々にとって、欲しいと感じるものには興味を示す。
人件費の上昇とともに、手に入るものは購入をする。人件費が毎年上昇し続ける国では、より良いものを購入したいと思う。
価格意識が薄れ、高いものでも気に入れば購入する。
B日本
日本では、人口減少、少子高齢化により、事業内容によっては市場全体が縮小し、将来に希望が持てないと思う企業もある。
が、反対に高齢化市場が一層大きくなり、その成長も見込めると思えば、明るい未来を描くことができる。
日本で経験した高齢化商品・サービスは、やがて韓国、中国、アメリカ、ヨーロッパに展開できるからである。
Cアメリカ・ヨーロッパ
市場規模が大きく、安定した市場であり、ニーズに合った高付加価値の商品・サービスを提供することで、一定の市場が確保できる。
3)自社が展開できる市場場所
@時系列に捉える
未来の市場場所をどこにするかによって、実施する商品・技術も違ってくる。
自部署の強みが発揮できる市場を時系列に捉えることである。
特に、今まで経験が無い市場に参入するには、今年はここの市場を、来年は別の市場をと時系列に参入方法を決定する。
A技術変化を捉える 変化を上手く利用すれば、それをチャンスにできる。インターネットの利用が世界中に広まっている。
インターネットを上手く活用した世界販売が可能となる。
クラウドの発達により、自社でサーバをもつより安価にできる仕組みを利用すれば、低コストで新市場を開拓することができるようになる。
4)新ビジネス発想手法
市場の成長とともに、提供する商品・技術を開発し、素早く市場に出すためには、提供する商品・技術そのものを考えることが重要となる。
現在実施している商品に何を付加すればよいか、いや全く新しい商品にしてしまうのが良いか思考することになる。
当然ながら、市場の未来を見ながら、そのためには何をすべきかを創り上げる。
新しいビジネスエリアを思考する方法として、三つの輪を提示する。
@三つの輪
第一の輪(真ん中ビジネス、一番中心の輪) これから伸びる領域、又は自部署の現在のビジネスを記載する。
第二の輪(利用ビジネス、二番目の輪) 真ん中ビジネスの利用シーン、利用方法、エリアを記載する。
第三の輪(補佐ビジネス、一番外の輪) 利用ビジネスを補佐するビジネス。補佐する技術、ツ−ル、サービス、商品を記載する。
自部署、自部門、自社が実施できる範囲で可能性があるものを組みわせて○で囲む。
関係企業と組むことで可能な場合なども○で囲む○をつけたビジネスから具体的な新商品・新技術に展開する。
Aピラミッド思考
現在のビジネスを新市場や商品・技術展開を思考する時に利用する。
異質同国へ
性質の似通っていて違う製品を同じ国へ、自動車部品を機械部品へ
疑似質他国へ
少し違うものを他国へ、日本では大人向けを外国では子供用に
5)発想から絞り込みへ
さまざまな思考後、最終的に実施できるビジネススタイルを絞り込む。
絞り込む順位は、収益事業になるか、投資が少なくて済むか、実施体制を作ることができるか、
同様のビジネスがすでに実施されているか、参入の隙間があるかをもとに順位をつけ選択する。